賃貸マンションは建物の貸主が共用部分の所有者になるため、災害で自宅が被災しても建物部分の修繕費用はかかりません。
また、2階以上の部屋であれば戸建住宅に比べて水害で被災するリスクが低めです。
一定規模以上のマンションでは建物専用の貯水タンクがあり、水まわりの定期清掃をしているため水漏れ・水つまりも起こりにくい環境になっています。
築浅でグレードが良いマンションは全戸でディスポーザーが標準装備されているケースもあり、水道トラブルが起こりにくいです。
賃貸マンションに住んでいると油断しがちですが、水害や風災で被害を受けることや水まわりのトラブルが起こるケースも多数あります。
よくあるトラブル事例を参考にして、普段から気をつけて防災対策をしっかりしておきましょう。
水つまりの原因で非常に多いのがトイレットペーパーの流しすぎです。
トイレットペーパーは水に溶けますが、一度に大量使用すると排泄物を加えた大きな塊になってトイレを詰まらせてしまいます。
便器の老朽化などは大家さん負担で交換してくれますが、使用に伴う水つまり修理は居住者負担が一般的ですので注意してください。
賃貸マンションは基本的に住人が変わる度に壁紙などを貼り替えて、室内を綺麗にリフォームします。
建物の築年数に対して室内(居住空間)が綺麗なので、リフォームしていない水まわりも新しいと錯覚してトイレなどを雑に使う人が多いです。
使用量が多くなりそうな時は途中で一旦流しておくなど、トイレをいたわって大切に使いましょう。
賃貸マンションは雨戸がついていないケースが多く、賃貸は無許可でのリフォームができません。
大きな台風が直撃する際は、飛来物で窓ガラスが割れないように対策をしておくことが望ましいです。
原始的な方法ですが、窓の外側を段ボールで覆ってガムテープなどで固定しておくのが強力な防災対策になります。
火災保険の風災リスクに加入していれば窓ガラスが割れても修理費用が補償されますが、日常生活に支障が出ます。
特に居住部屋が少ない間取りの単身用賃貸マンションは、窓が割れて一つの部屋が使えなくなるだけで致命的なダメージを受けるので注意してください。
タワーマンションなど高層階のマンションに住んでいる場合、停電や断水になった際の影響が大きくなります。
長期にわたって停電と断水が続いた場合、近隣店舗で水と食料を買える状況であっても、その都度階段を往復しないといけません。
トイレに行く度に階段で移動しないといけないケースもあり、高層階の人は災害時にホテルでの仮生活を選ぶ人が多いです。
道路の冠水で移動できないとマンション内で孤立してしまうことがあるので、飲み水・防災食を備蓄するほかポータブルトイレなどを用意しておくと万一の際に役立ちます。
高層階にお住まいの方はマンションならではのリスクを認識しておいてください。
1階にテナントが入っているマンションやビルは、大雨や洪水の際に床下浸水しやすいです。
同様に地下駐車場があるマンションも道路が冠水すると建物内に大量の水が浸水する恐れがあります。
建物が浸水被害を受けると、そのマンション全体で停電や断水のトラブルが起こりやすいです。
道路から1階など建物内までの高さが確保されていない賃貸マンションにお住まいの方は、停電と断水に備えた防災対策をしておくようにしてください。
このほか築年数が古くて修繕修理が行き届いていないマンションも、共用部分の排水が弱いなどの理由で水害の被害を受けやすいです。
集合住宅は自分の部屋だけ防災対策をしていても、共用設備のトラブルで被災する恐れがあります。
マンションならではの特性を理解して、高い防災意識を持っておくことが大切です。